Claude Code を「ターミナル版 ChatGPT」だと思っているうちは、性能の 3 割しか引き出せていません。slash コマンド・hooks・memory・サブエージェント を組み合わせると、コード生成だけでなく「自分専用の AI 秘書」が組み上がります。私はこのテクニックを実戦投入してから、1 日のコーディング時間が体感 4 割減りました。この記事は、Claude Code を 3 ヶ月以上日常使いしている人向けに、本当に効く 10 個 を厳選して紹介します。
① /init で CLAUDE.md を自動生成
新しいプロジェクトに入ったら、まず /init を叩いてください。Claude Code がリポジトリ全体をスキャンして、「このプロジェクトはこういう構造で、こういう約束事で動いている」 をまとめた CLAUDE.md を自動生成してくれます。
これがあると、次回以降の会話で「このリポジトリの規約は何?」と聞き直す必要がなくなる。CLAUDE.md は Claude Code の長期記憶 として常に読み込まれます。
私の運用では、CLAUDE.md に「npm でなく pnpm を使う」「コミットメッセージは英語」「テストは vitest」のようなプロジェクト固有ルールを追記しておきます。
② /memory と CLAUDE.md/MEMORY.md の使い分け
Claude Code の長期記憶は、実は 3 層+自動メモリ という構造です。
~/.claude/CLAUDE.md— ユーザー全体に適用される共通ルール- プロジェクト直下の
CLAUDE.md— そのリポジトリ固有の約束事 - サブディレクトリの
CLAUDE.md— そのディレクトリ配下にだけ効く局所ルール ~/.claude/projects/<project>/memory/MEMORY.md— Claude Code が自動で蓄積する「auto-memory」のインデックス
/memory コマンドは現在読み込まれている CLAUDE.md の状況を確認する用途。直接編集するというより、どの階層の CLAUDE.md が効いているかを可視化するためのコマンドです。
例えば「私はバックアップ前に必ず差分を確認したい派」のような個人クセはユーザー階層の CLAUDE.md に、「このリポジトリは pnpm を使う」のような規約はプロジェクト直下に、と書き分けると整理しやすい。auto-memory は会話の中で Claude Code が必要と判断したものを自動で保存していきます。
③ サブエージェントで並列実行
Claude Code のサブエージェントは、メインの会話とは別コンテキストで動く「専門子分」です。Explore エージェントを 3 体並列で起動すれば、コードベースの 3 領域を同時に調査できます。
私は新しいライブラリの調査時、
- 1 体目: 公式ドキュメントを読む
- 2 体目: 該当コードを既存リポジトリで grep
- 3 体目: GitHub Issues を WebFetch で読む
を並列で走らせています。直列で 30 分かかる調査が 10 分 で終わる。
メインコンテキストの容量も節約できるので、長丁場のタスクに効果絶大。
④ /hooks でイベント自動化
/hooks は「Claude が◯◯したら自動で△△する」を設定する仕組み。例えば、
- ファイル編集後に 必ず
npm run lintを走らせる - コミット作成時に 自動でテスト実行
- ツール呼び出し前に 権限警告ダイアログを出す
を settings.json に書いておけば、Claude Code が自動で執行してくれます。
私は「git commit する直前に必ずテストを走らせる」hook を設定して以来、テストし忘れコミットがゼロになりました。
⑤ /loop で定期実行
/loop を使うと、同じプロンプトを指定間隔で繰り返し実行できます。/loop 5m /check-deploy のように書けば、5 分おきにデプロイ状態をチェックする AI 監視員が完成。
私は「30 分おきに記事の Search Console 順位をチェックして、5 位以内に入ったら通知する」のような自動監視に使っています。
Mac launchd × Claude API でブログ記事を自動生成する方法 と組み合わせれば、定期実行を OS レベルと AI レベルで二段構えにできます。
⑥ --resume / -c でセッション復元
長時間のタスク中にターミナルを閉じてしまっても、claude --resume または claude -c で 直前のセッションをそのまま復元 できます。コンテキスト・タスク・ファイル状態が全部戻ります。
「明日また続きから」「ターミナルがクラッシュした」「別マシンで続きを」みたいなケースで地味に効く。
私は集中作業中に席を立つとき、ターミナルを閉じるのが怖くなくなりました。
⑦ Plan モードで設計→承認→実行
複雑なタスクは、いきなり Write させずに Plan モードで実装計画を作成 → 確認 → 承認 の順で進めるのが安全。
Plan エージェントが、変更ファイル一覧・実装ステップ・想定される副作用までまとめてくれます。これを読んでから「やって」と言えば、思いがけない破壊変更を防げます。
私は 100 行を超える変更を加えるときは、必ず Plan モードを経由します。
⑧ MCP サーバーで外部サービス接続
MCP(Model Context Protocol)サーバーを使うと、Notion・GitHub・Slack・Linear などのサービスを Claude Code から直接操作できます。
私の運用例:
- Notion MCP → 記事ネタを Notion DB から取得して下書き生成
- GitHub MCP → 該当 Issue を読み込んで関連 PR を作成
- Canva MCP → Claude にアイキャッチ画像を生成させる
MCP サーバーの定義場所は 3 通り。プロジェクトで共有するなら .mcp.json(リポジトリ直下)、自分専用なら claude mcp add コマンド、特殊用途なら .claude/settings.json。.mcp.json 主軸が今の主流です。これを置くだけで Claude Code が 「外部サービスと連携できる AI」 に化けます。
⑨ TaskCreate / TaskUpdate でタスク管理
長丁場の作業を Claude Code に投げると、自動で TaskCreate を呼んで TODO リストを作ってくれる。進捗が見える化されて、何をやり残しているかが一目で分かります。
ユーザー側からも「タスク 3 を skip」「タスク 5 を再実行」のように指示できる。プロジェクトマネージャーが横にいる感覚 に近い。
⑩ /clear で会話のリセット
意外と知られていないのが /clear。現在の会話履歴を完全にリセット して、新しいタスクに切り替えます。
長い作業を続けていると、コンテキストが古い指示で汚染されて Claude の動きが鈍くなることがあります。タスク区切りで /clear を入れると、判断速度が回復する体感あり。
ただし、CLAUDE.md と MEMORY.md は /clear しても保持されるので、長期記憶は失われません。
ご家族のIT担当の方へ
Claude Code は CLI なのでハードルが高そうに見えますが、家族にプログラミング初心者がいる場合、/init で生成された CLAUDE.md と MEMORY.md を一緒に書いてあげる だけで、その家族が一人で使えるレベルまで持っていけます。
「コードを書いて」より「これをしたいんだけど」と日本語で投げる使い方なら、ターミナルアレルギーの人でも入れます。
同じ作業を月100回やる人は
Claude Code を Claude Agent SDK に置き換えると、上記のテクニックを全部プログラマティックに制御できます。Hooks も Memory も Plan も、すべて Python/TypeScript のコードで自動化可能。
例えば「GitHub Actions で PR 作成時に自動でコードレビュー Claude を呼ぶ」みたいな仕組みが、SDK 経由なら 50 行で書けます。詳細は Anthropic 公式の Claude Agent SDK(英語)と claude-agent-sdk-python リポジトリ を参照してください。
まとめ:Claude Code は「育てるツール」
| 番号 | テクニック | 効果 |
|---|---|---|
| ① | /init |
プロジェクト辞書を自動生成 |
| ② | /memory |
個人辞書を長期記憶化 |
| ③ | サブエージェント並列 | 調査時間を 1/3 に |
| ④ | /hooks |
自動化フックで品質担保 |
| ⑤ | /loop |
定期実行で AI 監視員 |
| ⑥ | --resume |
セッション復元 |
| ⑦ | Plan モード | 設計→承認→実行 |
| ⑧ | MCP サーバー | 外部サービス連携 |
| ⑨ | TaskCreate | 進捗の見える化 |
| ⑩ | /clear |
会話のリセット |
Claude Code は「コマンドを覚える」より「自分専用に育てる」ツールです。CLAUDE.md と MEMORY.md を書き込めば書き込むほど、あなたの仕事に最適化された AI 秘書に近づきます。
Claude Code と Cursor の比較が気になる人は、Claude Code と Cursor を3ヶ月使い倒した結論 も合わせて読むと、開発環境選びの全体像が掴めます。
(本記事は 2026 年 5 月時点、Claude Code CLI の最新版で実機検証しています。slash コマンドや hooks の仕様はアップデートで変わる可能性があるため、最新の公式ドキュメントを併読してください。)
